民間企業による月面探査プロジェクトとして注目を集める「HAKUTO-R(ハクトアール)」は、株式会社ispaceが推進する国際的な宇宙開発の挑戦です。
HAKUTO-Rには、多国籍で専門性の高いメンバーが数多く関与しており、設計、開発、運用などあらゆる領域で実績を積んだ人材が協力しています。
また、プロジェクトを支えるスポンサーの存在も非常に重要です。
三井住友銀行や日本航空など、多様な業界からのスポンサーが資金・技術・広報の各面でHAKUTO-Rを支援しています。
現在は、ミッション2の終了を受けて、次なる計画に向けた準備が本格化しています。
この記事では、HAKUTO-Rのメンバー構成や由来、スポンサーの関与、現在のミッション状況や今後の展望について詳しくご紹介します。
HAKUTO-R(ハクトアール)のメンバーは誰?
HAKUTO-Rのメンバーには、代表の袴田武史さんを中心としたispaceの社員や技術者、そしてパートナー企業の担当者が含まれています。
①プロジェクトリーダー:袴田武史(ispaceの代表取締役CEO)
②HAKUTO-Rメンバー:
財務の責任者・野崎順平、技術の責任者・氏家亮
ispace社内の技術者やエンジニア、プロジェクトマネージャー
③コーポレートパートナー:
JAL(日本航空)、三井住友海上火災保険、日本特殊陶業、スズキなど、複数の企業
④HAKUTO-Rの公式ファンコミュニティ「CREW」:
一般のファンやサポーター
また、一般のファンやサポーターも「クルー」としてHAKUTO-Rの活動を支援・応援することができます。
クルー会員になると、限定グッズやイベント案内、特別イベントへの招待などが受けることができます。
公式ファンコミュニティ「CREW」も含めると、HAKUTO-Rに関わるメンバーは非常に幅広い層にわたります。
HAKUTO-Rは日本発の月面探査プロジェクトで、メンバーは国際色豊かで高度な専門性を有しています。
次の項目では、HAKUTO-Rの背景や取り組みについてさらに詳しく紹介します。
HAKUTO-R(ハクトアール)とは
HAKUTO-Rは、
です。
プロジェクト名の「R」は「Reboot(再起動)」を意味し、かつての月面探査レース「Google Lunar XPRIZE」に挑んだチーム「HAKUTO」の後継プロジェクトとして再始動しました。
つまり、HAKUTO-Rは日本初の民間による月面探査を実現するための再挑戦なのです。
HAKUTO-Rのミッションは、ispaceが開発したランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を活用し、月面への輸送や探査を行うことにあります。
国際的なパートナーとの連携のもとで、科学的な探査だけでなく、月面の資源活用や商業輸送といった未来の宇宙ビジネスを見据えた取り組みが進められています。
このようにHAKUTO-Rは、単なる技術開発にとどまらず、宇宙における新たな価値創出を目指した総合的なプロジェクトです。
次の項目では、この革新的なプロジェクトにどれほど多くのメンバーが関わっているのかを詳しく見ていきます。
HAKUTO-R(ハクトアール)に携わっているのは何人?
HAKUTO-Rに携わっているメンバーは、ispaceのスタッフを中心に300名以上と公表されています。
これにはエンジニア、プロジェクトマネージャー、ビジネス担当者などが含まれ、多国籍かつ専門性の高いチームで構成されています。
HAKUTO-Rのメンバーは、日本だけでなくルクセンブルクやアメリカの拠点でも活動しており、プロジェクトの国際的な広がりを支えています。
また、JALや三井住友海上火災保険といった企業の技術者も、スポンサーとしてプロジェクトを実務的に支援しており、これらの協力者もHAKUTO-Rの重要なメンバーです。
このように、HAKUTO-Rには約300名の多様なメンバーが携わり、それぞれの立場からプロジェクト成功に向けて尽力しています。
HAKUTO-R(ハクトアール)の由来
HAKUTO-Rという名称の由来は、
という2つの要素を融合させたものです。
まず、「HAKUTO」は、日本の伝統的な伝承に登場する「月にいる白い兎」にちなんでいます。
月の模様がうさぎの姿に見えるという昔話に基づき、「白兎(はくと)」という言葉が選ばれました。
そして「R」には、“Reboot(再起動)”という意味が込められています。
これは、かつて「Google Lunar XPRIZE」に挑戦したHAKUTOチームの意志を受け継ぎ、新たな月面探査プロジェクトとして再出発する姿勢を象徴しています。
HAKUTO-Rは、過去の経験と未来への挑戦を重ね合わせたプロジェクト名です。
HAKUTO-R(ハクトアール)のスポンサーはどこ?
HAKUTO-Rのスポンサーは以下の通りです。
スポンサーはオフィシャルパートナーとコーポレートパートナーに分類され、資金提供や技術支援、情報発信を通じてHAKUTO-Rの活動を多方面から支えています。
過去には住友商事株式会社もコーポレートパートナーでした。
上記のような業界を代表する企業が名を連ね、HAKUTO-Rの今後の展開にも注目が集まっています。
次のセクションでは、各スポンサーがHAKUTO-Rにどのように関与しているのかをご紹介します。
スポンサーはHAKUTO-R(ハクトアール)にどう関与してる?
HAKUTO-Rのスポンサーは、資金援助にとどまらず、多角的な支援を行っています。
たとえば、オフィシャルパートナーである株式会社三井住友銀行は、命名権を取得し、プロジェクト全体の認知度向上にも大きく貢献しています。
コーポレートパートナーの各企業は、マーケティングライツや共同プロモーションを通じてHAKUTO-Rのブランド価値を高める役割を担っています。
また、技術支援の面でも協力が進められており、スズキ株式会社や日本航空株式会社、シチズン時計株式会社などは自社の技術力を活かし、月面ミッションの成功を後押ししています。
さらに、三井住友海上火災保険株式会社はリスクマネジメントや保険サービスの提供を通じて、プロジェクトの安全性と継続性を支えています。
事業連携や共同開発の点で言えば、栗田工業株式会社は月着陸船への水処理システム搭載を目指して協業しています。
TBSホールディングスや朝日新聞社といったメディアパートナーは、情報発信を担うことでHAKUTO-Rの社会的注目度を高めています。
今後新しいスポンサー参加予定について
2025年6月現在、HAKUTO-Rの公式情報やプレスリリースでは、新しいスポンサーの参加についての具体的な発表は確認されていません。
現時点では、既存のパートナー体制を維持したままの状況です。
過去には、株式会社ジンズが新たにコーポレートパートナーとして参画した事例もあり、HAKUTO-Rでは必要に応じて協力企業を拡大してきた実績があります。
今後も技術革新や国際的な宇宙ビジネスの発展に応じて、スポンサー企業の追加が検討される可能性は十分にあります。
新たなスポンサーの参入があれば、技術力や資金面でのさらなる強化が期待され、HAKUTO-Rのプロジェクト推進に大きなプラスとなります。
そのため、今後のispaceによる公式発表に注目する必要があります。
スポンサー構成の変化は、宇宙探査の未来を左右する大きな要素の一つです。
HAKUTO-R(ハクトアール)の現在について
HAKUTO-Rの現在は、ミッション2の結果を受けて次なる挑戦に向けた準備が進行中です。
2025年6月に行われた月面着陸ミッションでは通信途絶により目標達成には至りませんでしたが、得られた知見をもとに技術と運用の改善が進められています。
現在、エンジニアチームが原因の解析に取り組みながら、ミッション3に向けての設計と検証作業が進行しています。
次のセクションでは、ミッション2の詳細な状況と、現在の取り組みについて紹介します。
HAKUTO-R(ハクトアール)のミッション状況
HAKUTO-Rの現在のミッション状況は、ミッション3の着陸挑戦に注目が集まっています。
2025年1月に打ち上げられた月面着陸船「RESILIENCE」は、6月6日に月面着陸を試みましたが、着陸直前に通信が途絶し、着陸成功は確認されませんでした。
ispaceは同日午前8時にミッション終了を公式に発表しました。
現在、HAKUTO-Rのエンジニアチームは通信途絶の原因を詳細に調査しており、ミッション1・2で得た実績と教訓を今後に活かすための技術改善が進められています。
HAKUTO-R(ハクトアール)今後の展望
HAKUTO-Rの今後の展望として、ミッション3の計画が本格的に進められています。
2026年に予定されているこのミッションは、アメリカ法人が主導し、「Team Draper Commercial Mission」という名称で展開される予定です。
NASAのアルテミス計画に貢献することも視野に入れており、国際的な月探査の一翼を担う存在を目指しています。
ミッション1・2で得られた運用データや技術的知見を活用し、ランダーの性能や信頼性をさらに高めることで、持続可能な月面輸送サービスの確立を目指します。
さらに、2027年にはミッション6の打ち上げも予定されており、月データの商業利用や国際的なパートナーシップの拡大も計画に含まれています。
HAKUTO-Rは、今後も民間主導による宇宙開発の新たな可能性を切り拓く存在として成長が期待されています。
まとめ
HAKUTO-R(ハクトアール)は、株式会社ispaceが手がける民間主導の月面探査プロジェクトとして、宇宙開発に新たな可能性をもたらしています。
世界中から集まった専門性の高いメンバーが設計・運用を担い、多様なバックグラウンドを持つチームによって推進されています。
HAKUTO-Rには、三井住友銀行や日本航空をはじめとする企業がスポンサーとして参画し、資金や技術、マーケティング支援を通じて深く関与しています。
現在は、ミッション2の着陸失敗を踏まえ、技術的な検証や運用体制の改善が進められており、次のミッションへの準備が着々と進行中です。
HAKUTO-Rの挑戦は、メンバーとスポンサーの協力によって支えられながら、現在もなお進化を続けています。
今後の展開にも大きな期待が寄せられています。
コメント